標準管理規約


マンション標準管理規約とは、国土交通省がマンションの管理組合向けに作成した、管理規約のひな型です。マンションの維持管理を円滑に進め、住民が安心して暮らせる環境を整えるための基準として策定されています。

 

規約の目的と内容

マンション標準管理規約は、区分所有者間の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することを目的としています。敷地や建物の範囲、専有部分と共用部分の区分、管理組合の運営、会計など、マンション管理に関する幅広い事項が定められています。

 

 

規約の種類

マンション標準管理規約には、以下の3つのタイプがあります。

・単棟型: 単一の建物で構成されるマンションに適用されます。

・団地型: 複数の建物がある団地形式のマンションに適用されます。

・複合用途型: 店舗や事業スペースを併用するマンションに適用されます。

 

 

改正の背景とポイント

マンション標準管理規約は、区分所有法の改正や社会情勢の変化に対応するため、定期的に改正されています。直近では2024年6月と2025年10月に改正が行われました。

 

2024年6月改正の主なポイント

組合員名簿・居住者名簿の作成・更新の仕組みの明確化

EV充電設備の設置推進

宅配ボックスの管理・利用ルールの明確化

修繕積立金の積立状況の可視化

総会関連資料の保管義務化

 

🏢 2025年10月改正の主な改正点と決議事項

 ※改正区分所有法は、一部を除き202641日に施行されます。

 

 

 

📌 総会の決議要件の見直し

 

 従来の区分所有法と比較し、総会の決議がしやすくなりました。

  • 出席者の多数決による特別決議: 規約の変更や共用部分の変更(形状や効用を著しく変更しないもの)などの特別決議が、総会出席者の過半数ではなく、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上で決することができるようになりました。これは、これまで全区分所有者の議決権総数の4分の3以上が必要だったものから緩和された点です。
  • 総会定足数の見直し: 基本の総会定足数が、議決権総数の「半数以上」から「過半数」に見直されました。特別決議においても、区分所有者数および議決権の各「過半数」が定足数として規定されています。
  • 共用部分の変更に係る決議: バリアフリー化など共用部分の変更に関する決議の多数決要件が、4分の3から3分の2に緩和されました。

🏘️ マンション再生に係る決議要件

 

 老朽化したマンションの再生を促進するため、新たな手法とそれに伴う決議要件が設けられました。

  • 新たな再生手法への対応: 建物更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しといった新たな再生手法に関する決議要件が規定されました。
  • 多数決要件の緩和: 客観的な事由が認められる場合、マンション再生(建替え・更新・売却・取壊し等)に係る決議の多数決要件が5分の4から4分の3に緩和されています。耐震性不足などの場合は3分の4、政令指定災害による被災の場合は3分の2など、さらに緩和されるケースもあります。

🔔 総会招集時の通知事項と期間

 

 総会の運営をより透明かつ効率的に行うための変更です。

  • 議案の要領の明示: 全ての議案について「議案の要領」を通知事項として示すことが義務付けられました。
  • 通知期間の変更: 緊急に総会を招集する際の通知の発送期間が、最短5日間から1週間へと変更されました。

👤 国内管理人制度

 

 海外に居住する区分所有者の管理に関する手続きを円滑にするための規定です。

  • 国内管理人を選任した場合、その連絡先などを管理組合に届け出ることが義務付けられました。

📄 管理組合における対応(規約改定の重要性)

 

今回の改正は、各マンションの管理規約に大きな影響を与えるため、管理組合はこれらの変更点を踏まえて規約の見直しを進めることが推奨されます。マンション標準管理規約は、あくまでモデルであり、各マンションの実情に合わせて検討・準備が必要です。

 

法改正後も管理規約を改定しない場合、法律が優先適用されるため形式的には運用可能ですが、実務現場での混乱や意思決定の無効、対外的信用の低下、手続きの煩雑化などのトラブルが生じる可能性があります。管理組合は、改正法に合わせて規約を見直し、明文化・周知・整備を進めることが重要です。

 

 

各マンションでの適用

マンション標準管理規約はあくまで指針であり、各マンションの管理規約は、これを参考に管理組合が作成します。

 

マンション管理規約の改正に関する決議事項は、202641日施行の改正区分所有法を受けて大きく見直されています。これにより、マンションの管理組合の運営がより円滑になるよう、特に総会の決議要件が緩和されています。

マンション管理規約の改正に関する決議事項は出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上で決することができるようになります。

 これらは、強行規定であり、管理組合で数値を決めることはできません。

 

マンション管理における強行規定とは

 

区分所有法などの法令の規定のうち、マンションの管理規約や当事者間の合意に関わらず、強制的に適用される「絶対的なルール」 を指します。これに反する規約や総会決議は無効となります。

 

強行規定の概要

 

強行規定は、法令の規定のうち、当事者間の合意によって変更することが許されない規定です。マンション管理においては、区分所有法が「マンションの憲法」として機能し、強行規定は管理規約よりも優先されます。

 

任意規定との違い

 

強行規定と対になるのが任意規定です。任意規定は、法律に規定があっても「規約で定めることができる」といった文言がある場合、管理組合が独自にルールを設定できる規定です。

 

強行規定の具体例

 

1. 規約の設定・変更・廃止の決議要件

 

規約の設定、変更、廃止には、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要です。この要件を緩和したり厳しくしたりすることはできません。

 

2. 共用部分の変更の決議要件

 

共用部分の著しい変更には、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要です。

 

3. 総会の開催義務

 

管理者がいる場合、理事長は年1回以上総会を開催する義務があります。

 

法改正による影響

 

202641日に施行される改正区分所有法により、強行規定が直接適用され、これまでの管理規約の一部が自動的に効力を失う項目があります。特に、総会の開催手続きや決議要件など、運営の根幹に関わるルールが大きく変わります。

 

マンション標準管理規約の改正

 

「マンション標準管理規約」を改正します

 

~皆様のマンションの管理規約も見直しが必要です~

 

マンション標準管理規約 国土交通省

  

○令和7年マンション関係法(区分所有法)改正関係

 ・総会決議における多数決要件の見直し

 ・総会招集時の通知事項等の見直し

 ・所在等不明区分所有者の総会決議等からの除外手続き

 ・国内管理人制度の活用に係る手続き

 ・共用部分の管理に伴って必要となる専有部分の保存行為等

 ・修繕積立金の使途

 ・マンションに特化した財産管理制度の活用に係る手続き

 ・共用部分等に係る損害賠償請求権等の代理行使

○社会情勢等を踏まえた見直し 等

 

 

マンション標準管理規約(単棟型)コメント含む(国土交通省サイト)

 

 

 

マンション標準管理規約(団地型)コメント含む(国土交通省サイト)

  

 

 

マンション標準管理規約(複合用途型)コメント含む(国土交通省サイト)

  

 

令和7年マンション標準管理規約の改正について

 

 改正の概要(国土交通省サイト)

  

 単棟型

 令和7年改正 新旧対照表 (国土交通省サイト)

 

 

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